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快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

400年前のキリシタン弾圧と私たちとのつながり 『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記』(星野博美)

ノンフィクションにとくに詳しいわけではないけれど、高野秀行さんと星野博美さんの作品は新作が出るとつい読んでしまう。このふたりの作品に共通していることは、最初はごくごく個人的な興味からはじまり、そしてそれをどこまでも追求し、海外や辺境地まで…

身近な他者が一番恐ろしい――『なんでもない一日』(シャーリー・ジャクスン 市田泉訳)

東京では、先日村上春樹の講演が行われたようですね。 ddnavi.com しかし「龍じゃないほうの村上です」と登場したって、W村上と言われていたのは遠い昔なので、少々古い気も。(龍氏の方にも好きな小説はあるので、最近影が薄くなったように思えるのは残念…

「死ねばいいのに」という思いのはてに――『ずっとお城で暮らしてる』(シャーリー・ジャクスン 市田泉訳)

あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。十八歳。姉さんのコンスタンスと暮らしている。運さえよければオオカミ女に生まれていたかもしれないと、何度も考えたことがある。なぜってどちらの手を見ても、中指と薬指が同じ長さをしているんだもの。だけ…

中心のない機械になれ 『村に火をつけ、白痴になれ――伊藤野枝伝』栗原康

まわりから、女はこうあるべきだ、おとなしくしろとかいわれていると、ほんとうはちがうとおもっていても、ついついそうふるまってしまう。しかも、それができてほめられると、なんだかうれしくなってやっぱりまたしたがってしまう。 まわりにほめられるよう…

黒人社会の厳しい現実と甘いラブ・ストーリーの融合 映画『ムーンライト』

アカデミー賞で話題になった映画『ムーンライト』を見てきました。 moonlight-movie.jp トランプ政権への映画界からのアンチテーゼとも評されたように、黒人社会の厳しい現実を描いた映画……と思っていたら、それはたしかにそうなんだけど、それ以上に、まぎ…

女が強くなるとき――『ナオミとカナコ』(奥田英朗)

「あなたの親は、とうして離婚しないのですか?」朱美が不思議そうに聞く。「さあ……」直美は首を傾げつつ、「たぶん、母に一人で生きて行く自信がないからだと思います」と答えた。「日本の女の人、みんなやさし過ぎるのことですね。前にも言いましたが、上…

人生も半ばを過ぎて――『いつか春の日のどっかの町へ』(『FOK46』改題)大槻ケンヂ

高野秀行さんがツイッターでオススメしていたので、私もひさびさに大槻ケンヂことオーケンのエッセイを読んでみた。 いつか春の日のどっかの町へ (角川文庫) 作者: 大槻ケンヂ 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2017/02/25 メディア: Kindle版 …

春の夜はなんだか怖い? BOOKMARK 7号と『真昼なのに昏い部屋』(江國香織)

さて、今回のBOOKMARKは「眠れない夜へ、ようこそ」。ホラー特集。といっても、ホラーというと四谷怪談くらいしか思いつかなかったので、いったいどんな本が取り上げられるのか想像つかなかったが、ホラー仕立てのミステリーなどおもしろそうな作品がいっぱ…

女と女は化かしあい? それとも――『荊の城』(サラ・ウォーターズ 中村有希訳)/ 映画『お嬢さん』(パク・チャヌク監督)

モードは何よりも華奢だった。母ちゃんとは違う。母ちゃんとは全然違う。子供のようだ。まだ少し震えているモードがまばたきすると、睫毛が羽のようにあたしの咽喉をなでる。しばらくすると、震えは止まり、もう一度、睫毛が咽喉をこすって、静かになった。…

大人になるっていうこと 『ペーパーボーイ』(ヴィンス・ウォーター著 原田勝訳)

そういえば、前回の 『MONKEY』の「あの時はあぶなかったなあ」ですが、砂田麻美さんの飼い犬、柴犬のポン吉の話もおもしろかった。手羽先がそんなに犬にとって危険だったとは、、、しかし、「所詮、犬は畜生やよ」ってなんだか深い。 ところでこの砂田麻美…

「ともだちがいない!」 『MONKEY vol. 11』(柴田元幸ほか)

盛りあがってますね。小沢健二くんの『流動体について』。 流動体について アーティスト: 小沢健二 出版社/メーカー: Universal Music =music= 発売日: 2017/02/22 メディア: CD この商品を含むブログ (2件) を見る 私ももちろんMステ見ました。去年のツア…

ただの「ええ話」ではなかったO・ヘンリー 『最後のひと葉』(小川高義訳)『1ドルの価値/賢者の贈り物』(芹澤恵訳)

さて、先日の『月と六ペンス』に続いて、今度はO・ヘンリーの『最後の一葉(ひと葉)』をまた複数の訳で読んでみた。 最後のひと葉―O・ヘンリー傑作選II―(新潮文庫) 作者: O・ヘンリー 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/04/29 メディア: Kindle版 …

神は雑多に宿る――『村上春樹 雑文集』

アマゾンで『騎士団長殺し』を検索したら、いま超話題の『夫の……が入らない』が出てきておどろいた。いや、『騎士団長殺し』を買っている人は、その商品も「ご覧になっている」そうです。 で、ひさしぶりに『雑文集』を読み返してみた。 村上春樹 雑文集 (新…

もうすぐ日本翻訳大賞しめきり 再度『月と六ペンス』を読んでみた

さて、ミュージカル『キャバレー』を見に行ったりしているうちに、日本翻訳大賞の応募締め切りが近づいていました。(ちなみに、『キャバレー』はなんの予備知識もないまま行ったので、こういう話だったのか!とおどろいた。(いまさらかもしれませんが) こ…

チェコ文学ってどんなの?? 『エウロペアナ』に『約束』、『火葬人』などの訳者 阿部賢一さんトークイベント

さて今日は、京都のモンターグ・ブックセラーズで、翻訳者阿部賢一さんによるチェコ・東欧文学についてのトークイベントを見てきました。 といっても、チェコ・東欧文学というと、アゴタ・クリストフの『悪童日記』を読んだことがあるくらいで、ほとんど知ら…

美と世俗、芸術と凡庸――対比を鋭く描いた『月と六ペンス』(サマセット・モーム 金原瑞人訳)

「じゃあ、どうして奥さまを捨てたんです?」「絵を描くためだ」 わたしは目を丸くして相手の顔をみた。意味がわからなかったのだ。この男は頭がおかしいのだろうかと思った。覚えておいてほしいが、わたしはまだ若かった。ストリックランドがただの中年男に…

圧倒的な孤独を描いた短編集 『レキシントンの幽霊』(村上春樹)

さっきロンハー見てたら、ジャルジャルの福徳の部屋にブタの貯金箱が置いてあって、前回の『コドモノセカイ』のエドガル・ケレットの作品を思い出してしまった。 いや、それはともかく、村上春樹の新作『騎士団長殺し』って、最初は冗談かと思った。虚構新聞…

<見えない敵>と戦う、子供の過酷な日々を描いたアンソロジー 『コドモノセカイ』(岸本佐知子編訳)

子供の頃は毎日がバラ色だった、なんて人いるのだろうか? 子供時代というと、幸福の象徴のように思われることが多いが、そんなことってあるのだろうか? 『コドモノセカイ』を編訳した岸本佐知子さんは、あとがきでこう書いている。 コドモノセカイ 作者: …

年末年始に読んだ本 『屋根裏の仏さま』(ジュリー・オオツカ 岩本正恵・小竹由美子訳)『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(ジェームズ・M・ケイン 田口俊樹訳)

さて、もう正月気分もどこへやらって感じですが、年末年始に読んだ本をメモしておきます。 屋根裏の仏さま (新潮クレスト・ブックス) 作者: ジュリーオオツカ,Julie Otsuka,岩本正恵,小竹由美子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/03/28 メディア: ペー…

あたらしい年にむけて―― 『女子をこじらせて』(雨宮まみ)

2016年、一番おどろいたことと言えば、雨宮まみさんの訃報だった。 『女子をこじらせて』が単行本で出て、話題になっていたときにさっそく読んでみて、同世代のせいか、ロッキン・オン社の出版物を(真剣に…)読んでいたとか、通ってきたものが共通していて…

あたらしい年に向けて、あたらしい働きかた――『わたしらしく働く!』 (服部みれい)

さて、なんだかんだしているうちに、すっかり年末。『シン・ゴジラ』も『君の名は。』も『この世界の片隅に』も、そして、”逃げ恥”の最終回も録画しているものの、まだ見ておらず、2016年の人気作にまったくついていけませんが、とりあえず今年印象に残った…

”真実をそっくり語れ、だが斜めから語れ” 『誰でもない彼の秘密』(マイケラ・マッコール 小林浩子訳)

わたしはだれでもない人! あなたはだれ?あなたもだれでもない人なの? I’m Nobody! Who are you? という、エミリー・ディキンソンの詩のなかでもっとも有名なこのフレーズからはじまるこの物語。 誰でもない彼の秘密 作者: マイケラ・マッコール 出版社/メ…

ペットのワニ、そして謎の雄鶏との痛快で切ない珍道中 『アルバート、故郷に帰る』(ホーマー・ヒッカム 金原瑞人・西田佳子訳)

母からアルバートの話をきくまで、うちの両親がそんな旅をしていたとは全然知らなかった。アルバートを遠い故郷まで連れていくなんて、危険だし、そうそうできることじゃない。知らないことばかりだった。両親がどうして結婚したのかも、両親がどんな経験を…

破綻の予兆に満ちた世界から生じるノスタルジー 『歩道橋の魔術師』 (呉明益 天野健太郎訳)

猫はまるで白い影のように、机の上から唐さんを見ていた。唐さんはギターのピックみたいな平らなチャコペンで、生地に線を描いていた。唐さんはときどき手を休め、猫を見た。猫もまた唐さんを見た。なんだか眼差しだけで会話をしているようだった。唐さんが…

愛おしさがつまった、素敵かわいいアンソロジー 高原英理編『ファイン/キュート 素敵かわいい作品選』

高原英理の『不機嫌な姫とブルックナー団』がおもしろいと最近あちこちで耳にして、読んでみたいなと思っていたところ、こちらのアンソロジー、高原英理編『ファイン/キュート 素敵かわいい作品選』を見つけて、さっそく読んでみました。 不機嫌な姫とブル…

奇人変人大集合のハイテンションなドタバタ劇 『迷惑なんだけど?』(カール・ハイアセン 田村義進訳)

正直言って、この仕事は引きうけなきゃよかったと思ってるよ。いちどきにこんなに多くの奇人変人に出くわしたことは、生まれてこの方一度もない。 と、浮気夫と愛人の「決定的瞬間」(「わたしは挿入シーンが見たいの。それこそ決定的な証拠よ」)を撮影する…

はじめての海外文学ビギナー篇~まずは猫よりはじめよ~『猫語のノート』(ポール・ギャリコ 灰島かり訳)

前回も書いた「はじめての海外文学」ですが、猫好きへのビギナー篇として外せないのは、これでしょう。 猫語の教科書 (ちくま文庫) 作者: ポールギャリコ,Paul Gallico,灰島かり 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1998/12 メディア: 文庫 購入: 11人 クリ…

はじめての海外文学――そしてジェイムズ・エルロイ 『獣どもの街』(田村義進訳)

読書ブログをやっておきながら、なかなか落ち着いて本を読めない事態になってしまった。 原因はこの子↓ 会社の人が保護した子猫を引き取ることにしたのです。 まだ生まれて二か月も経っていないため、長く留守番させるのも不安で、ここ数日はなる早で家に帰…

困ったおじさん大集合 『僕の名はアラム』(ウィリアム・サローヤン 柴田元幸訳)

「困ったおじさんね」というのは、たしか寅さんの妹さくら一家の口癖だったような……なんでこんなことを思い出したのかというと、このウィリアム・サローヤンの『僕の名はアラム』には、「史上ほぼ最低の農場主である」メリクおじさん(『ザクロの木』)や、…

結婚にまつわる洞察が綴られる――現代の『高慢と偏見』? 橋本治 『結婚』

橋本治の『結婚』は、28歳の主人公倫子が、同僚の27歳の花蓮に「卵子劣化」の話を切り出すところからはじまる。 結婚 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/07/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る いや、ここ最近政府があ…

ブッカー賞について私の知っている、ニ、三の事柄

さて、今年度のブッカー賞が発表されました。アメリカ人作家ポール・ビーティーの『The Sellout』 で、初のアメリカ人作家が受賞とのことで話題になりました。まあ、少し前まではイギリス・アイルランド作家のみが対象だったようなのですが。(しかし、クッ…

”闇の奥”のアマゾンで、ひとりの女性が生まれ変わる 『密林の夢』(アン・パチェット 芹澤恵訳)

アンダーズは結婚の申し込みでもするように、熱っぽくマリーナの手を取った。「いいかい、子どもを生む時期をいくらでも好きなだけ先送りできるんだよ。踏ん切りがつくまで、納得できるまで迷っていられるんだよ。四十五歳くらいが限界じゃないか、なんて思…

虫料理か…『SWITCHインタビュー達人達 枝元なほみ×高野秀行』~『異国トーキョー漂流記』

週末に東京に行き、そして帰ってきて、録画しておいたNHK『SWITCHインタビュー達人達 枝元なほみ×高野秀行』を見た。すると、時折高野さんのエッセイにも登場するおなじみのミャンマー料理店からはじまり、「しまった!東京で行けばよかった!」と…

国家を股にかけない落ちこぼれスパイの奮闘記 『窓際のスパイ』 (ミック・ヘロン 田村義進訳)

「祖父が枕もとではじめて読んでくれた本は『少年キム』だ」シドはその本を知っているようなので、説明はしなかった。「そのあとはコンラッドとか、グレアム・グリーンとか、サマセット・モームとか」「『アシェンデン』ね」「そう、十二歳の誕生日には、ル…

またまた最新号『暮しの手帖 84号』を買いました

さて、「とと姉ちゃん」も終わりましたが、『暮しの手帖』の最新号84号を買いました。 暮しの手帖 4世紀84号 出版社/メーカー: 暮しの手帖社 発売日: 2016/09/24 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 前号に続いて、高山なおみさんの引っ越しの記事が…

AND SO IT GOES――  『人生なんて、そんなものさ カート・ヴォネガットの生涯』(チャールズ・J・シールズ 金原瑞人ほか訳)

カート・ヴォネガットの伝記『人生なんて、そんなものさ カート・ヴォネガットの生涯』を読んだ。 人生なんて、そんなものさ―カート・ヴォネガットの生涯 作者: チャールズ・J.シールズ,Charles J. Shields,金原瑞人,桑原洋子,野沢佳織 出版社/メーカー: 柏…

「ほんとうのこと」が知りたいだけなのだ 辺境中毒!(高野秀行)

さて、前回紹介した内澤旬子さんといえば、高野秀行さんの『辺境中毒!』で対談しています。 辺境中毒! (集英社文庫) 作者: 高野秀行 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2011/10/20 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (7件) を見る その対談…

捨て暮らし、そして離島への移住へ 『捨てる女』 『漂うままに島に着き』(内澤旬子)

こんなごみごみしたところで、せかせか暮らすのは止めて、田舎にでも行ってゆっくりしたいな……とふと考える瞬間がある。 いや、まあ誰にでもあると思うのですが、私の場合は、車の運転もできないし、体力も自信がないし、とにかく虫が部屋のなかに入ってくる…

女たち、そして書くことへの愛と忠誠 『詩人と女たち』(チャールズ・ブコウスキー 中川五郎訳)

さて、ブコウスキー・シリーズ、今度は代表作と言っていい『詩人と女たち』を読みました。 詩人と女たち (河出文庫) 作者: チャールズブコウスキー,Charles Bukowski,中川五郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 1996/10 メディア: 文庫 クリック: 21回…

障害を持つ少年が主人公か……と引いてしまう人にぜひ 『夜中に犬に起こった奇妙な事件』(マーク・ハッドン 小尾芙佐訳)

BOOKMARKで紹介されていたときから気になっていた、『夜中に犬に起こった奇妙な事件』が、読書会の課題本になったので読んでみた。BOOKMARKが創刊号で「これがお勧め、いま最強の17冊」として紹介していただけに、すごくおもしろく、また、あらゆる面から考…

恋愛→セックス→出産のグロテスクさ 『殺人出産』(村田沙耶香)

「私たちの世代がまだ子供のころ、私たちは間違った世界の中で暮らしていましたよね。殺人は悪とされていた。殺意を持つことすら、狂気のように、ヒステリックに扱われていた。昔の私は、自分のことを責めてばかりいました。何度命を絶とうとしたか知れませ…

愛について真面目に考える時間 『あとは死ぬだけ』 (中村うさぎ)

前回『結婚失格』について書いたあと、検索してみたところ、この『結婚失格』発売記念イベントで、町山智浩が枡野浩一に行った公開説教がレポされているエントリを見つけた。 d.hatena.ne.jp 町山さんの一言一言、まさにその通り!とひれ伏したくなるが、と…

成長するってことーー 『結婚失格』(枡野浩一) そしてサニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』

私もすこしは大人になったのかなと、あらためて『結婚失格』を読んで感じた。 結婚失格 (講談社文庫) 作者: 枡野浩一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2010/07/15 メディア: 文庫 購入: 23人 クリック: 767回 この商品を含むブログ (33件) を見る というの…

いまさらレポート 2016年5月22日スティーヴン・ミルハウザー&柴田元幸朗読会@東京大学

そういえば、柴田元幸さんというと、いまさらですが、5月22日の朗読会についてもメモしておこう。 翻訳百景のイベントで東京に行った際、次の日に東京大学でスティーヴン・ミルハウザーと柴田さんの朗読会があったので行ってきました。 東大に入るのはまった…

文学から遠く離れようとしてもーー 『パルプ』 チャールズ・ブコウスキー 柴田元幸訳

「さて、このいわゆるセリーヌとかいう奴について、お聞かせいただきましょう。本屋がどうとか、おっしゃってましたよね」「ええ、レッドの店に入りびたって、立ち読みしたり……フォークナーとかカーソン・マッカラーズとかのことを問い合わせたりしてるのよ…

岡崎京子展~戦場のガールズ・ライフ~@伊丹市立美術館に行きました

さて、伊丹市立美術館へ、「岡崎京子展~戦場のガールズ・ライフ」を見てきました。実は去年の世田谷文学館にも行ったのですが、関西で開催されるなら当然行かないと。 館全体で岡崎京子ムードになっていた世田谷文学館とくらべると、圧倒される感じは少なく…

ブコウスキー流青春放浪記 『勝手に生きろ!』 チャールズ・ブコウスキー著 都甲幸治訳

親父が毎晩家に帰ってきてから、おふくろを相手にえんえんと仕事の話をし続けたことを思い出した。親父が玄関のドアを開けると同時にいきなり仕事の話は始まり、夕食の最中だろうがなんだろうが、八時に親父が寝室から「電気を消せ」と叫ぶまで続いた。親父…

真夏の本屋めぐり 阪神夏の古書ノ市に行って、ジュンク堂堂島本店で『戦地の図書館』フェアを見ました

うちの職場はお盆なんて関係ないので、夏休みもなく働いてるのですが、さすがに疲れた。 なので、昨日は会社帰りにリフレッシュしようと、阪神百貨店の古書ノ市に行ってみました。前から行ってみたいと思っていた神戸の1003や、BOOKMARKを関西でいち早く…

戦火をくぐり抜けた夫婦がたどりついた場所とは?? 舞台『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』(松尾スズキ)を見に行きました

さて、今日は松尾スズキ作の舞台「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」(@森ノ宮ピロティホール)を見に行ってきました。 www.bunkamura.co.jp 阿部サダヲ演じるベストセラー作家の永野(日芸卒)が、人質にとられたジャーナリストの先輩(吹越満)を助ける…

Kindle Unlimitedでさっそく読んでみた本 文学ムック『たべるのがおそい』

やっぱり試してしまいました、Kindle Unlimited。 読み放題ってどういうこと?? どれだけ読んでも980円ってどういう仕組み?? これまでのKindle無料本と同じく、いくらタダでも特段に興味ない本が多数をしめているのだろうか……と思いつつ、探してみると、…