快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

2019-08-17から1日間の記事一覧

コミュニケーションとディスコミュニケーションの狭間の祝祭 「こちらあみ子」「ピクニック」(今村夏子)

十五歳で引っ越しをする日まで、あみ子は田中家の長女として育てられた。父と母、それと不良の兄がひとりいた。 小学生だったころ、母は自宅で書道教室を開いていた。もとは母の母が寝起きしていたという縁側に面する八畳ほどの和室に赤いじゅうたんを敷きつ…