快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

金原瑞人

わたしの大好きな本の半生 『わたしの名前は「本」』(ジョン・アガード 著 金原瑞人 訳)

フィルムアート社の読者モニター募集に申し込み、この『わたしの名前は「本」』を読ませてもらいました。 わたしの名前は「本」 作者: ジョン・アガード,ニール・パッカー,金原瑞人 出版社/メーカー: フィルムアート社 発売日: 2017/11/25 メディア: 単行本 …

旅する犬の物語① 『ティモレオン センチメンタル・ジャーニー』(ダン・ローズ著 金原瑞人訳)

ティモレオン・ヴィエッタは犬のなかで最高の種、雑種犬だ。 さらに、ティモレオン・ヴィエッタには際立った特徴があった。普通の犬には見られない特徴、たまたま親切な家庭に迷いこんできただけの野良犬とは一線を画する特徴が。ティモレオン・ヴィエッタは…

やっぱり新訳! 『BOOKMARK』の最新号(08号) 『すばらしい新世界』『まるで天使のような』など

さて、前回書いたように、今号の『MONKEY』が翻訳特集でしたが、フリーペーパー『BOOKMARK』の最新号も「やっぱり新訳!」と、翻訳のなかでも新訳に絞った特集でした。 「翻訳は新しい方がいい」というのは、すべての新訳に言えるのかどうかはわからないです…

もうすぐ日本翻訳大賞しめきり 再度『月と六ペンス』を読んでみた

さて、ミュージカル『キャバレー』を見に行ったりしているうちに、日本翻訳大賞の応募締め切りが近づいていました。(ちなみに、『キャバレー』はなんの予備知識もないまま行ったので、こういう話だったのか!とおどろいた。(いまさらかもしれませんが) こ…

美と世俗、芸術と凡庸――対比を鋭く描いた『月と六ペンス』(サマセット・モーム 金原瑞人訳)

「じゃあ、どうして奥さまを捨てたんです?」「絵を描くためだ」 わたしは目を丸くして相手の顔をみた。意味がわからなかったのだ。この男は頭がおかしいのだろうかと思った。覚えておいてほしいが、わたしはまだ若かった。ストリックランドがただの中年男に…

ペットのワニ、そして謎の雄鶏との痛快で切ない珍道中 『アルバート、故郷に帰る』(ホーマー・ヒッカム 金原瑞人・西田佳子訳)

母からアルバートの話をきくまで、うちの両親がそんな旅をしていたとは全然知らなかった。アルバートを遠い故郷まで連れていくなんて、危険だし、そうそうできることじゃない。知らないことばかりだった。両親がどうして結婚したのかも、両親がどんな経験を…

AND SO IT GOES――  『人生なんて、そんなものさ カート・ヴォネガットの生涯』(チャールズ・J・シールズ 金原瑞人ほか訳)

カート・ヴォネガットの伝記『人生なんて、そんなものさ カート・ヴォネガットの生涯』を読んだ。 人生なんて、そんなものさ―カート・ヴォネガットの生涯 作者: チャールズ・J.シールズ,Charles J. Shields,金原瑞人,桑原洋子,野沢佳織 出版社/メーカー: 柏…

いま、ヴォネガットが生きていたらー 『国のない男』 (カート・ヴォネガット 金原瑞人訳)

いま、この時代に、ヴォネガットが生きていたらなんと言うだろう? というのは、日本だけでなく、きっとアメリカでも多くの人が感じていることでしょうが、ちょうど『国のない男』を読み返していて、あらためてそう思った。 国のない男 作者: カートヴォネガ…

私たちに与えられた短い無限の時間 『さよならを待つふたりのために』 ジョン・グリーン (金原瑞人・竹内茜訳)

十六歳でがんで死ぬより最悪なことはこの世でたったひとつ。がんで死ぬ子どもを持つことだ。 相次ぐ有名人のがん闘病が大きなニュースになり、もし自分や、自分の身近な人が病気になったら……と、だれでも考えてみたりするかと思いますが、この『さよならを待…

ファンタジーと現実の境界線って? デイヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』(山田順子訳) 『火を喰うものたち』(金原瑞人訳)

さて、先日の『翻訳百景~ファンタジーを徹底的に語ろう~』に引き続き、デイヴィッド・アーモンドの『肩胛骨は翼のなごり』と『火を喰う者たち』を読んでファンタジーとはなんぞや問題について、またまた考えてみました。 肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫…

あなたにとってのファンタジーとは? 『翻訳百景』イベント~『ウィーツィ・バット』(フランチェスカ・リア・ブロック 金原瑞人・小川美紀訳)

さて、少し間が空いてしまいましたが、先週末の続き。 神奈川近代文学館での、いとうせいこうと奥泉光の文芸漫談のあとは、一路東京へ。 翻訳者の越前敏弥先生主催の『翻訳百景~ファンタジーを徹底的に語ろう~』@表参道に行ってきました。 金原瑞人さん、…

翻訳小説という新しい愉しみへの誘い 『翻訳百景』  越前敏弥

もしこの世に翻訳小説がなかったら―― 外国の事物や風習、そこで暮らす人々の気持ちをどれだけ理解することができるだろうか? 文化や考え方の違いを理解したり、あるいは、どんなに環境が変わろうとも、人の気持ちはさほど変わらないことを実感することがで…