はじめてキティに興味をもちました 『CREA 9月号 本とおでかけ』
CREA最新号(9月号)、読書特集を読みました。
一番の目玉、村上春樹の熊本滞在記ですが、熊本がこんなに文化的な町だとは知らなかった。
「しらたま」という看板ネコがいる「橙書店」、京都の恵文社をこぢんまりとさせた感じでしょうか、ぜひいつか行ってみたい。ネコの写真を見ると、「しらたま」とは、ナイスネーミングですね。岩合さんの『世界ネコ歩き』を見ていたら、欧米ではネコも「ヘンリー」とか「ニコラス」とか舶来風のこじゃれた名前がついていて、いや、もちろん舶来風でもなんでもなく、それがあたりまえなのですが、やはりクロとかシロとかミケとかブチとかいう名前を見るとほっとするものがある。
実のところ、熊本というと、森高千里、ウッチャン、くりぃむしちゅーしか思い浮かばかなかったのですが、先日世界遺産に登録された万田抗というところが名所らしい。それにしても、世界遺産やモンドセレクションに登録される難易度って、いまいちよくわからないのですが。先日尾道に行ったら、「日本遺産」とでかでかと書かれていて、世界遺産のパロディーか冗談で勝手に言っているのかと思っていたら、(白い恋人→面白い恋人、みたいな)、正式に文化庁が選定しているものらしかった。
あと、熊本といえば、当然忘れてはならないくまモンにも取材をしているところが興味深かった。村上春樹がくまモン担当者に聞いたところ、最初にくまモングッズの許可を出したのは「仏壇」(くまモン仏壇?)であり、しかしその仏壇の需要については「当方は関知しない」とのことで、「風俗関係が申請したら?」「もちろん却下する…」と、なんだかカフカ的なやりとりが交わされていた。
しかし、一番目をひかれたのは、最後に村上春樹があげていた、旅で読んだ本の一冊が『キャバ嬢の社会学』ということだった。キャバ嬢に興味あるのでしょうか。
あと、有名人が本を紹介するところでは、蒼井優や星野源といった、そういう企画ではおなじみの人たち(どちらも好きですが)から、厚切りジェイソンといった、何者かよくわからない人まで(いや、芸人ということは知っていますが、ほとんど見たことがないので)掲載されていますが、堺雅人が『かりあげ君』を選んでいたのがツボだった。ぜひ実写で演じてほしい。意外にはまる気がする、堺雅人の植田まさしワールド。
そして、少し前にアップした『奥田民生になりたいボーイ…』の渋谷直角があげていた、『キティだって休みたいときがあるんです。』もたいへん気になった。
まったく知らなかったが、キティは職場(←サンリオピューロランド。各地方都市であれこれかぶりものしているのも重労働だと思うが)で疲れて転職を考えたりもするが、そんなときに相談したい彼氏(ダニエル)とも気持ちがすれ違い、いろいろ悩み深い日々を送っているらしい。ちなみに、そのダニエルとやらは、検索したところ、「ナイーブでセンチメンタルな性格」のうえに、将来の夢は「カメラマンか芸能界デビュー」とのことで、正直なところ、別れたら……いや、ちょっと距離をおいてみてもいいんじゃないかと思った。
まあ、なんだかんだ言いましたが、この号は、連載企画『本にまつわる四方山話』での、翻訳家の藤井光と作家の小野正嗣の対談もすごく面白く充実していたので、本好きの人にはおすすめです。