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快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

笑いに定年はあるのか? ウーマンリブ 「七年ぶりの恋人」

 クドカン率いるウーマンリブの「七人シリーズ」(というのか知らんけど)の最新作、「七年ぶりの恋人」を見てきました。

 って、こう書くと、知らない人にとっては、なにがなんやらっていう、暗号のような文章だと思いますが。ウーマンリブといっても、フェミニズムとなんら関係はなく、宮藤官九郎主宰の大人計画のコントユニットです。

 しかし思い返すと、2005年の「七人の恋人」では、いままさに「あさが来た」の“亀助さん”でおなじみの三宅弘城に、そして星野源が出ていたのでした。
 三宅さん、もちろん以前から、さまざまな舞台やグループ魂の肉体派ドラマー「石鹸」としても活躍してましたが、ここへ来てブレイクするとは。
 星野源も、当時は「大人計画の若い子」くらいの認識だったけど、すっかり国民的スーパースターになってしまいました。しかし先日の「SONGS 星野源」では、20代の頃を「下積み時代」とNHKにさくっとまとめられていて、大人計画の舞台にも『タイガー&ドラゴン』にも出てたのに!と思った。

 で、話は戻って、今回は久々の「七年ぶりの恋人」でしたが、いやー、くだらなかった。ゲストもなく、上記のような目下ブレイク中のきらきらしたメンバーもなく(もちろん、みんな売れっ子俳優なんですが)、40半ばの面々が身体をはって、真剣にふざけているさまは、クドカンが「週刊文春」の連載でも書いていたとおり(ちなみに、『ミステリーベスト10』が発表されている号です)、清々しいものがありました。

 とくに、池津祥子さんと伊勢志摩さんの女優魂に感服しました。さっき、ウーマンリブといってもフェミニズムとは無縁と書きましたが、考えたら、きちんと女性陣にスポットライトをあてていました。クドカンの作品は、『あまちゃん』もそうですが、女性へのリスペクトが感じられるのが、不快感をおぼえない大きなポイントですね。
 あと、「下ネタ、風刺、楽屋オチなど、笑いのためなら手段を選ばず」と書いていたとおり、片岡愛之助ネタや皆川さんの風俗話が笑えました。

 とは言うものの、正直なところ、完成度とか満足度という点では、「七人の恋人」の方が上だったかな。。(まあ2005年の記憶なんで、あてにならないけど)
 
 この連載でも、クドカンが「果たしていつまで続けるのか……俳優業、作家業に定年はないけど、コント業にはあるような気がしてなりません」と書いているように、笑いを取り続けることって、ほんと難しいんだろう。
 なにかひとつ掛け違っただけで、笑いは消え失せ、“寒い”状態になる。いや、見ていないのに言うのもなんですが、『ギャラクシー街道』のユーザーレビューなどからもじゅうぶんに伺える。
 時代や、お客さんの層によって、求められる笑いも変わる。いや、私は結構ジャルジャル好きなのですが、M-1の漫才じゃないんだろうな、そもそもあの人を食ったようなキャラは万人受けしないのかも、なんて思ったりもして。
 
 けどまあ、人生すべてが悲喜劇というか、コントみたいなものだと考えると、年をとってもそれなりに笑いは発生するのかもしれない。介護の世界なんか、ヴォネガットの小説みたいなスラップスティックな要素が多そうな気もする。