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快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

戦火をくぐり抜けた夫婦がたどりついた場所とは?? 舞台『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』(松尾スズキ)を見に行きました

 さて、今日は松尾スズキ作の舞台「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」(@森ノ宮ピロティホール)を見に行ってきました。

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 阿部サダヲ演じるベストセラー作家の永野(日芸卒)が、人質にとられたジャーナリストの先輩(吹越満)を助けるため、テロや紛争がやまない中東の某国に行く。そこには、”ゴーゴーボーイズ”という少年の売春団体が存在し、どことなく見覚えのある新入りの美少年トーイ(岡田将生)と出会う。一方、日本では、永野の妻である元女優のミツコ(寺島しのぶ)が女優復帰に奮闘するが、永野と連絡がとれなくなったミツコがとった行動とは……


 というストーリーでした。松尾流のボーイズラブ話と聞いていたけど、たしかに、半裸の美少年たちがなにかにつけて歌って踊っていました。いや、その美少年のなかに混じって、近藤公園くんはまあいいとしても、顔田顔彦さんや皆川猿時さんも一緒に踊ってたけど。といっても、私はジャニーズにしても韓流にしても、まったくアイドルって見ないので、踊る美少年たちをどういう心境で鑑賞すべきものなのかがよくわからなかった。眼福眼福と拝むのが正解なのだろうか。


 しかし、そんな美少年やボーイズラブなどがぜんぜんわからない私が見ても、すごくおもしろい舞台だった。中東、テロ、人質、自己責任、そして戦争、というキーワードからもうかがえるように、今回は松尾さんの舞台のなかでも社会派の色あいが濃く、ある意味わかりやすいと言ってもいいくらいだったのは、やはりこの現実社会がどんどん右傾化している状況での危機感を反映しているのかと思ったり。

 また、”ゴーゴーボーイズ”は、そもそもの性格にくわえ、戦争が勃発すると、売春団体から”従軍慰安夫”(慰安士だっけ)に変わったことなど、モロにジェンダー問題を扱っている。寺島しのぶ演じるミツコも強い女性だけど、平岩紙ちゃんと宍戸美和公さんが演じていた戦地に渡った女性たちや、池津祥子さんによるカリスマ女性革命家なども非常に印象的だった。

 あと、ミツコが、戦争で「五体不満足」になった男に奉仕させられるところは、もちろん例の騒動や、寺島しのぶが以前出た映画も思い浮かんだが、直接的なものだけでなく、そういったことすべての根底にある性の価値観の問題について考えさせられた。


 そして、複雑に構成されたストーリーにくわえ、俳優・女優陣の演技のキレもすごかった。岡田将生くん、ほんとよく頑張っていた。思わず心配になるくらい。冒頭からお尻出したりして。もう今後テレビの恋愛ドラマでどれだけさわやかなイケメンを演じても、私の脳裏から、あのお尻や(キレイだったけど)、サダヲとのラブシーン(?)が絶対に消えないから。
 サダヲや寺島しのぶがうまいのは言うまでもないけれど、ここ最近、『私、結婚できないんじゃなくて…』に『とと姉ちゃん』と、テレビでめちゃ売れっ子の平岩紙ちゃんも、まさに本領発揮とばかり輝いてました。すんごい忙しいだろうに。

 「ハイバイ」の舞台も見てみないとと前から思っていながら、結局「ハイバイ」じゃなくて、松尾さんの舞台ではじめて見ることになった岩井秀人さんもいい感じでした。ていうか、三池監督そっくりやんと吹き出してしまったが、あれは三池ではなく、似池監督という役だったんですね。あと、『不倫探偵』に続いての松尾さんの美輪明宏、もう定番ですね。なんなら一緒に紅白にも出てほしい。


 舞台ってライブよりチケットが高いことも多いし、当たりはずれというか相性もあるから、私のまわりでも最近見に行かなくなったという声もよく聞くのですが、これは見てソンがないので、ぜひともおすすめします……といっても、もうそろそろ千秋楽なのですが。
 そうそう、あと重要な要素として、音楽もよかった。三味線や義太夫の邦楽を使っているのですが、いかにも「奇抜なことをやってみました」とか、あえて「和の要素を取り入れてみました」みたいな、あざとい感じではぜんぜんなく、ほんとうに舞台になじんでいて、歌詞が映し出されるのでストーリーがすっと頭に入ってきました。