快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

奇人変人大集合のハイテンションなドタバタ劇 『迷惑なんだけど?』(カール・ハイアセン 田村義進訳)

正直言って、この仕事は引きうけなきゃよかったと思ってるよ。いちどきにこんなに多くの奇人変人に出くわしたことは、生まれてこの方一度もない。 と、浮気夫と愛人の「決定的瞬間」(「わたしは挿入シーンが見たいの。それこそ決定的な証拠よ」)を撮影する…

はじめての海外文学ビギナー篇~まずは猫よりはじめよ~『猫語のノート』(ポール・ギャリコ 灰島かり訳)

前回も書いた「はじめての海外文学」ですが、猫好きへのビギナー篇として外せないのは、これでしょう。 猫語の教科書 (ちくま文庫) 作者: ポールギャリコ,Paul Gallico,灰島かり 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1998/12 メディア: 文庫 購入: 11人 クリ…

はじめての海外文学――そしてジェイムズ・エルロイ 『獣どもの街』(田村義進訳)

読書ブログをやっておきながら、なかなか落ち着いて本を読めない事態になってしまった。 原因はこの子↓ 会社の人が保護した子猫を引き取ることにしたのです。 まだ生まれて二か月も経っていないため、長く留守番させるのも不安で、ここ数日はなる早で家に帰…

困ったおじさん大集合 『僕の名はアラム』(ウィリアム・サローヤン 柴田元幸訳)

「困ったおじさんね」というのは、たしか寅さんの妹さくら一家の口癖だったような……なんでこんなことを思い出したのかというと、このウィリアム・サローヤンの『僕の名はアラム』には、「史上ほぼ最低の農場主である」メリクおじさん(『ザクロの木』)や、…

結婚にまつわる洞察が綴られる――現代の『高慢と偏見』? 橋本治 『結婚』

橋本治の『結婚』は、28歳の主人公倫子が、同僚の27歳の花蓮に「卵子劣化」の話を切り出すところからはじまる。 結婚 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/07/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る いや、ここ最近政府があ…