快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

2017-01-22から1日間の記事一覧

美と世俗、芸術と凡庸――対比を鋭く描いた『月と六ペンス』(サマセット・モーム 金原瑞人訳)

「じゃあ、どうして奥さまを捨てたんです?」「絵を描くためだ」 わたしは目を丸くして相手の顔をみた。意味がわからなかったのだ。この男は頭がおかしいのだろうかと思った。覚えておいてほしいが、わたしはまだ若かった。ストリックランドがただの中年男に…