快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

チェコ文学ってどんなの?? 『エウロペアナ』に『約束』、『火葬人』などの訳者 阿部賢一さんトークイベント

さて今日は、京都のモンターグ・ブックセラーズで、翻訳者阿部賢一さんによるチェコ・東欧文学についてのトークイベントを見てきました。 といっても、チェコ・東欧文学というと、アゴタ・クリストフの『悪童日記』を読んだことがあるくらいで、ほとんど知ら…

美と世俗、芸術と凡庸――対比を鋭く描いた『月と六ペンス』(サマセット・モーム 金原瑞人訳)

「じゃあ、どうして奥さまを捨てたんです?」「絵を描くためだ」 わたしは目を丸くして相手の顔をみた。意味がわからなかったのだ。この男は頭がおかしいのだろうかと思った。覚えておいてほしいが、わたしはまだ若かった。ストリックランドがただの中年男に…

圧倒的な孤独を描いた短編集 『レキシントンの幽霊』(村上春樹)

さっきロンハー見てたら、ジャルジャルの福徳の部屋にブタの貯金箱が置いてあって、前回の『コドモノセカイ』のエドガル・ケレットの作品を思い出してしまった。 いや、それはともかく、村上春樹の新作『騎士団長殺し』って、最初は冗談かと思った。虚構新聞…

<見えない敵>と戦う、子供の過酷な日々を描いたアンソロジー 『コドモノセカイ』(岸本佐知子編訳)

子供の頃は毎日がバラ色だった、なんて人いるのだろうか? 子供時代というと、幸福の象徴のように思われることが多いが、そんなことってあるのだろうか? 『コドモノセカイ』を編訳した岸本佐知子さんは、あとがきでこう書いている。 コドモノセカイ 作者: …

年末年始に読んだ本 『屋根裏の仏さま』(ジュリー・オオツカ 岩本正恵・小竹由美子訳)『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(ジェームズ・M・ケイン 田口俊樹訳)

さて、もう正月気分もどこへやらって感じですが、年末年始に読んだ本をメモしておきます。 屋根裏の仏さま (新潮クレスト・ブックス) 作者: ジュリーオオツカ,Julie Otsuka,岩本正恵,小竹由美子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/03/28 メディア: ペー…