快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

奥田英朗

女が強くなるとき――『ナオミとカナコ』(奥田英朗)

「あなたの親は、とうして離婚しないのですか?」朱美が不思議そうに聞く。「さあ……」直美は首を傾げつつ、「たぶん、母に一人で生きて行く自信がないからだと思います」と答えた。「日本の女の人、みんなやさし過ぎるのことですね。前にも言いましたが、上…