快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

黒原敏行

存在するルールは自分がつくるルールだけだ――『アメリカン・ブラッド』(ベン・サンダース著 黒原敏行訳)

マーシャルの件を頼める相手はほかにもいますが、確実にやってもらいたいですから。マーシャルには生きていてもらいたくない。これは大事な問題です。 なんだか前回の続きのようですが、また黒原さんの訳書『アメリカン・ブラッド』を読みました。 アメリカ…

やっぱり新訳! 『BOOKMARK』の最新号(08号) 『すばらしい新世界』『まるで天使のような』など

さて、前回書いたように、今号の『MONKEY』が翻訳特集でしたが、フリーペーパー『BOOKMARK』の最新号も「やっぱり新訳!」と、翻訳のなかでも新訳に絞った特集でした。 「翻訳は新しい方がいい」というのは、すべての新訳に言えるのかどうかはわからないです…

闇はどこにでもある 『闇の奥』 ジョゼフ・コンラッド

先日『テス』を読んだときに、作者の思想、立ち位置と作品の価値の問題について、うっすら考えましたが、昔からずっとその問題がつきまとっているのが、このコンラッド『闇の奥』ではないでしょうか。 闇の奥 (光文社古典新訳文庫) 作者: ジョゼフコンラッド…

「修正」は可能なのか? 『コレクションズ』 ジョナサン・フランゼン 

老化とパーキンソン病で身体が不自由になりつつある夫、アルフレッドと二人で暮らすイーニッドの一番の楽しみは、巣立っていった三人の子供と孫たちでクリスマスを過ごすことだった…… コレクションズ (上) (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョナサンフランゼン,J…