快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

生と死のあいだに忍びこむ闖入者との奇妙な邂逅ーー『夜が来ると』 フィオナ・マクファーレン

オーストラリアの海辺でひとり暮らしをしている75歳のルースが、朝の4時に目を覚ますと、そこにはトラがいた。いや、トラそのものを見たわけではない。けれど、やはりトラはいたのだ。「低くざらついた呼吸音に、威嚇するような小さな鋭い吠え声」がたしかに…

匿名の住民たちが恐怖に陥る、街を描いたサイコ・スリラー――『九尾の猫』 エラリイ・クイーン

前回の『十日間の悲劇』で探偵を辞めると固く決心したエラリーだったが、地元ニューヨークで連続殺人事件が発生する。被害者たちには一見なんの共通項もなく、無差別殺人かとニューヨークの住民たちは震撼する。父親のリチャード警視から捜査に協力するよう…

かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう――『大いなる眠り』 レイモンド・チャンドラー

村上春樹は、以前イスラエルのスピーチで、壁と卵という例をあげていたと思うが、やはり壁である組織に楯突くと、どうしても個人は卵にならざるを得ないのだろうか? たとえ世界的大作家でも、大人気アイドルでも。(ちょっと時事ネタですね) やはり組織は…

自分が三人いればいいのに(本読み用と遊び用と仕事用と)ーー 「BRUTUS」でも小説特集

「BRUTUS」でも小説特集やってるな…と気になりつつ、先日「SPUR」の小説特集を買ったとこだしなーとスルーしてたけど、高野秀行さんがこの特集で“辺境小説”を紹介したとブログに書かれたので、あわててジュンク堂に行ってバックナンバーを買ってきた。 BRUTU…

またもライツヴィルの呪われた家に悲劇が降りかかる  『十日間の不思議』 エラリィ・クイーン

探偵として名を馳せ、作家としても活躍するエラリィ・クイーンは、十年前、ナチスに占領される前のパリで知り合った、旧友のハワードとニューヨークで久々に会い、悩みを打ち明けられる。なんでも、最近記憶がなくなることが続いているのだと言う。記憶がな…

変わるもの、変わらないもの―― 『ラオスにいったい何があるというんですか?』 村上春樹

さて、すっかり正月気分も消し飛んだ今日この頃ですが、年末年始は実家ですることもないので、iPhoneで『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読んでいました。 ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 作者: 村上春樹 出版社/メーカー:…

年末年始は 『DENKI GROOVE THE MOVIE?』を見て過ごしました

年も明けたのに、まだ去年の話ですが、29日に仕事納めたあと、電気グルーヴのドキュメンタリー『DENKI GROOVE THE MOVIE?』を見てきました。 感想としては、見たひとみんな思ったことでしょうが、仲いいなーと。大根仁監督がパンフレットで、「真逆の仕事の…