快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2017年の締めくくり――女子高生たちによる〈疑似家族〉を描いた『最愛の子ども』(松浦理英子 著)

お題「年末年始に見たもの・読んだもの」 さて、きょうは大晦日。 というわけで、なんとしてでもこれを読まないと年を越せん!! と思っていた、松浦理英子の新刊『最愛の子ども』をようやく読みました。大掃除もそっちのけで。(毎年そっちのけだろーってい…

12/23 柴田元幸×内田輝/レベッカ・ブラウン『かつらの合っていない女』刊行記念朗読会 @ワールズエンドガーデン

で、前回の続きで、神戸市立外大の公開講座のあとは、灘の古本屋ワールドエンズガーデンでの朗読会へ。 柴田さんの朗読はこれまでも何回か聞いたことがあるけれど、今回はクラヴィコード&サックスの内田輝さんと一緒なので、音楽つきってどんな感じなんだろ…

12/23 柴田元幸公開講座「あまりアメリカ的でないアメリカ人芸術家たちについて-小説、詩、写真、漫画」@神戸市立外大

さて、10月の枚方蔦屋書店での柴田元幸さんのトークイベントで、「レベッカ・ブラウンとの朗読会に参加できなくて残念だった」とお話ししたと書きましたが、それからすぐに、「柴田元幸×内田輝/レベッカ・ブラウン『かつらの合っていない女』刊行記念ツアー…

冬のロスマク祭 『さむけ』『ウィチャリー家の女』(ロス・マクドナルド 著 小笠原豊樹 訳)『象牙色の嘲笑』(小鷹信光 松下祥子 訳)

この女が問題にしてもらいたがっているほど、わたしはこの女を問題にしていない。そもそもこの女を全面的に信用してはいないのだ。女の美しい肉体には二つの人格が交互に現れるようだった。一つは感受性の強い、しかも無邪気な性格。もう一つは、かたくなで…

2017年ベスト本――最愛の犬本② 『その犬の歩むところ』(ボストン・テラン 著 田口俊樹 訳)

この若い犬をご覧。血のように赤い石のそばにじっと佇み、体を休めている。四肢をすっくと伸ばし、胸を張り、頭を高く掲げて。 さて、今年のベストといえるもう1冊の犬本は、2017年のミステリーランキングにもよく挙げられている『その犬の歩むところ』です…

【12/4 追記】2017年ベスト本――最愛の犬本① 『おやすみ、リリー』(スティーヴン・ローリー 著 越前敏弥 訳)

二十代がまさに終わる日の夜、新しくやってきた子犬を腕に抱いたとき、ぼくは泣き崩れた。愛を感じたからだ。愛みたいなものじゃない。ちょっとした愛でもない。限界なんかなかった。ぼくは出会ってからたった九時間の生き物に、ありったけの愛を感じていた…