快適読書生活  

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」――なので日記代わりの本の記録を書いてみることにしました

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ナチス政権内部の少年たちを描いた、ジョン・ボイン『縞模様のパジャマの少年』(千葉茂樹 訳)『ヒトラーと暮らした少年』(原田勝 訳)

花の咲きほこる庭や銘板のついたベンチから五、六メートルほど先で、すべてががらりと変わってしまう。そこには巨大な金網のフェンスがあった。家と平行に張りめぐらされたフェンスのてっぺんはむこう側にむかって折れていて、目の届くかぎり左右へつづいて…

コミュニケーションとディスコミュニケーションの狭間の祝祭 「こちらあみ子」「ピクニック」(今村夏子)

十五歳で引っ越しをする日まで、あみ子は田中家の長女として育てられた。父と母、それと不良の兄がひとりいた。 小学生だったころ、母は自宅で書道教室を開いていた。もとは母の母が寝起きしていたという縁側に面する八畳ほどの和室に赤いじゅうたんを敷きつ…

2019/8/10 翻訳者村井理子さん&編集者田中里枝さんトークイベントー『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』『サカナ・レッスン』(キャスリーン・フリン著)より

さて、まさに真夏のピークの8月10日、梅田蔦屋書店で行われた翻訳者村井理子さんと、編集者田中里枝さんのトークイベントに参加しました。 おふたりがタッグを組んだ最初の本、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』の著者キャスリーン・フリンが、日…